「また負けた~!」

「味方が悪かった~!」

リーグ・オブ・レジェンドはチーム対チームなので、試合に負けた時の責任転換をとてもしやすいゲームです。これが将棋、囲碁、チェスなどであれば言い訳のしようはありません。負けた時の責任は自分にあるのが明確なので、余計な思考を使う必要もなく、反省会に移ることができます。

将棋教室に通い始めた素人でも、上達が必ず見込めるというのも頷けます。運に左右されず、純粋に戦略性が占めるゲームは、振り返りを行うことで必ず上達することができるということですね。

将棋に習って言うのであれば、振り返りを行うことで自身のパフォーマンスをよくすることは可能です。

しかし、LOLでは反省会を行いにくいという難点があります。なぜでしょうか?

それは、LOLはあまりに負けた試合に対する言い訳を簡単に作れるため、自分の非と向かい合わないからです。

自分には悪かったところがあると思わないので、反省会をまずしません。反省会がないので、振り返りもなく、実力はそのまま平行線を描きます。

勝つプレイヤーは、毎試合の後に振り返りを自然に行っている傾向があります。良かった所と、悪かった所を振り返り、次の試合の改善に繋げていきます。

私の経験では、勝利した試合からは良かったと思う行動を振り返り、自分に印象付けます。負けた試合では、どうすれば勝てたのか?どうすれば負けを回避できたか?どこが勝敗を決める分岐点になったかを振り返り、次の試合で同じことを繰り返さないためには?と考えます。

次の試合の際の課題にもなるので、モチベーションも上がります。そして、なにより勝っても負けても、自分の勝率に今後関係してくると感じます。

勝つプレイヤーは、勝利と敗北、どちらからも学ぼうとします。

勝てないプレイヤーは、勝利したら自分の手柄、敗北したら味方の責任、を豪語します。

両者の意識の違いは、はっきりと勝率に表れているでしょう。

ではなぜ、勝てないプレイヤーは言い訳を作ってしまうのでしょう?


セルフ・ハンディキャッピングとは

「勝った~!俺つえー!おうキャリーしてやったぞ雑魚ども!」

「負けた~!味方よえー!二度とランクやるなよゴミが足ひっぱりやがって!」

上記のような思考の勝てないプレイヤーは、セルフ・ハンディキャッピングという心理が働いている傾向が強いです。

セルフ・ハンディキャッピングとは、自らにハンデを課し、例え失敗しても言い訳ができる状態を予め作っておくことです。

こうすることにより、負けた際は自分の責任を軽くできますし、勝った際には「俺はハンデがあったにも関わらず、それを乗り越えて勝ちました!」と自分の評価を必要以上に高くできます。

脳の防衛機能の一種であり、とても癖になりやすい心理です。

あなたが常日ごろから「味方が弱い」と周囲に漏らしている場合、それはセルフ・ハンディキャッピングが働いており、負けた時の言い訳と保険を無意識に準備しているということです。

自分の非を軽くしようとしているので、当然、振り返りは起きません。

ではどうすればいいのか?

まずは、LOLはチームゲームで運の要素が大きく絡みます。

しかし、それはみな同じ条件ということを認識しましょう。

例えば、弱い味方を引いたのであれば、弱い味方を引いたなりにどうすれば勝てるかを考えましょう。その場合、あなたがキャリーする必要があるでしょうし、「味方よえー!」とチャットしても現状が変わることはありません。

味方運が悪いからLOLは勝てない、という人がとても多く、それらの多くは勝てないプレイヤーです。味方運が悪いと思うのであれば、それを受け入れた上で「ではどうすれば勝てるのか?」と前向きな思考になり、勝つための姿勢を作りましょう。あなたの勝率を上げるものは、味方や味方運ではなく、あなたの実力です。そのためには、思考を働かせましょう。

フェイトも、以下のようにゲーム内で言っています。

Only a fool plays the hand he’s dealt. 配られたカードだけで勝負するのはマヌケのやることさ。
フェイト:不敗のイカサマ師

自身が置かれている状況を分析し、そこから前向きに考えることで確実に実力は伸び始めます。逆に、セルフ・ハンディキャッピングが働いており、自分以外の外的要素の攻めている間は成長が乏しいです。

もしあなたが負けた試合の言い訳や、味方への不満が大きい場合は、セルフ・ハンディキャッピングを理解し、学ぶ姿勢を作り始めましょう。