今回の記事はジャングラー向きの記事になります。
ジャングラーをしていると、レーンの味方が対面に1対1あるいは1対2(対面と敵のジャングラー)にボコられている惨劇を目にする機会は多いでしょう。
そんな時、味方はあなたにこう投げかけます。
「ジャングル差きついわ~」訳:とっととガンクしろカス
「相手フラッシュ落としたよ、相手フラッシュ落としたよ」訳:とっととガンクしろカス
「ウチのジャングラーもなんかしてくんない?」訳:とっととガンクしろカス
「萎えたしAFKするわ」訳:とっととガンクしろカス
文章に起こすと、味方の見事なクズっぷりが垣間見れましたが実際クズが多いので問題はありません。
さて、それはそうと、ここでの本題は「レーンで負けている味方がいる場合、介護をしたほうがいいのかどうか?」です。
以前の記事では下記のように書いていますが、ここでは特殊な条件が加えられている事を気にしてみましょう。
それでは、ジャングラーの理念を理解した所で、題名にもある「ガンクはするべき?」に答えてみましょう。
結論から言うと、するべきです。
理由は、ガンクを行う事でゲームに自分が直接的に関わるので、運の要素が薄くなるからです。
【ジャングル】ガンクはするべき?ジャングラーの役割とは
「ジャングラーなんだから、ガンクして助けてあげればいいんじゃないの?」
優しいあなたはそう考えるかもしれません。
ただしかし、特殊な条件があるが故に一概にそのように言い切る事が難しい場合は多々あるのです。
特殊な条件とは、「負けている味方」というものがそれに当たります。
結論から言うと、低レートでレーンで負けている味方は助ける対象ではありません。
魔境脱出をしたいなら、放っておいてその代わりにもっと有意義な行動をする方がいいでしょう。
高レートでは、状況によりますが、基本は低レートと同じです。
「なんじゃそりゃ!低レートと高レートで差別すんなや!」
ごもっともです。では冷静に考えてみましょう。そもそも低レートで対面にボコられるようなプレイヤーを助けて、その味方が今後どのくらい役に立つと思いますか?
例えば、トップが超絶フィードしてるとしましょう。しかし、ミッドは凄い勝っています。この場合、あなたはどちらを中心にゲームを組み立てますか?
ここでミッドは勝ってるから助ける必要はなく、負けてるトップを助けに行くのが低レートの思考です。
「だって自分一人で勝ててるレーンに助けはいらないでしょ!」
では想像してみましょう。下記のケースの場合、あなたがされたら嫌な方はどちらですか?
- 敵のミッドが一人で圧勝して育っている。ミッドタワーを折った後、続いてミッドをプッシュしてきている。
- 敵のミッドが一人で圧勝して育っている。そこに敵のジャングラーも加わり、ミッドをプッシュしてこっちの森にも積極的に入り始めた。
この上記の場合、あなたがされたら嫌なのはどちらでしょうか?
ただでさえ、敵のミッドが育っているのに、そこにジャングラーも加わったら相手の方がマップの有利を取りやすいですよね。
それでは、最初に結論を書いたので以降は裏付けをしていきましょう。
そして、状況によれば助ける場合もあるのか?も見てみましょう。これはとてもさじ加減が難しいんですね。考慮するポイントは以下のようにいくつかあります。とりあえず見てみましょう。
- その味方は育てるべき対象か?装備依存なのか?集団戦でダメージを出す必要がある人か?
- ガンクはしやすいか?そのためのダメージとCCはあるかどうか。
- ガンクをして味方を育てたとして、その味方は今後戦力になるか?ガンクしてあげた後、すぐまた殺されるような可能性は?
- もしもカウンターガンクして、自分も事故ったとしても後悔はしないかどうか。
以上がレーンで負けている味方を助ける際に考慮するポイントです。
それでは、順番に見ていきましょう。
その味方は育てるべき対象か?装備依存なのか?集団戦でダメージを出す必要がある人か?
育てるべき味方なのかどうか?というのは、集団戦でダメージを出す必要があるのかどうかという話になります。
リーグ・オブ・レジェンドではタンクはダメージを出すキャラに比べると、スキルやCC頼りの場合が多いです。例としてトップのチャンピオンなら、マルファイト、ノーチラス、ポピー等が挙げられます。
逆にトリンダメアやフィオラあたりはAAでダメージを出す必要があるので、装備を含んだ基礎ステが重要になります。そのため、タンクキャラよりもゴールドを稼ぐ必要があるでしょう。タンクに比べて、これらのキャラは集団戦でダメージを出せないと、空気になりがちなので負けている場合はガンクをしてあげる必要性は若干あります。
ガンクはしやすいか?そのためのダメージとCCはあるかどうか。
負けているレーンをガンクをする場合、なるべくガンクは成功させないといけません。
ジャングラーのプレッシャーを与えるだけでは、有利を取っている敵にとってそこまで脅威ではないからです。
負けているレーンをガンクする場合、基本的に奇襲や釣りを誘う形になる事が多いでしょう。
「俺はこいつを助ける事に決めた!!なにがなんでもガンクしてやるぜ!」
上記はいわゆるキャンプというやつです。
最悪、ガンクが成功しなくても「俺はまだこの付近にいるぜ?介護するからな」と敵に感じさせる事で、敵からすればうざいことこの上ない対象となるでしょう。
ガンクをして味方を育てたとして、その味方は今後戦力になるか?ガンクしてあげた後、すぐまた殺されるような可能性は?
システム的なお話をしましょう。
LOLでは、キルを取った場合、基本値として300ゴールドが入ります。
続いて同じ相手からキルを取れば、300から少し減ったゴールドが入ります。
更に続けて倒すと、減り続けて、最期には50ゴールドにまで下がります。
これは同じ相手を倒し続ける事で一方的に有利となるスノーボールを避けるべく、システムで行われる救済処置です。私はフィーダー値と呼んでいます。
このフィーダー状態ですが、敵がキルかアシストを稼ぐ事で回復していきます。
つまり、ガンクで味方を助けてあげたら、その味方のフィーダー値は回復してしまい、敵に与えるゴールド量が復活してしまうという事が起きてしまうのですね。
ガンクしてあげたのに、調子に乗って2分後に死ぬやつ。やばいですよね?
もしもカウンターガンクして、自分も事故ったとしても後悔はしないかどうか。
さて、ようやく心理学の出番です。
負けている味方を助けるのに失敗した最悪の場合を想像してみましょう。
最悪とは、ガンクしてあげようとしたら2対1で返り討ちにあったとか、敵のジャングラーも待機していて2対2で負けるパターンです。
あなただけではなく周りの味方の士気は確実に下がりますし、敵を活気付けてしまいます。
助けてあげようとしたのに、その味方は「ジャングラーハズレ引いたわw」と罵られ、別のレーンの味方は「ff 15 plz」という始末。まさにお通夜ですね。ゲーム開始5分にしてあなたの疲れはもうマッハ。このような状態のことを、心理学用語で同情疲労(Compassion Fatigue)と言います。
稀に共感疲労とも書かれますが同じ扱いです。
同情疲労とは
同情疲労とは、相手を助けようとして努力している内に、助けようとしていた自分が潰れてしまう事です。
近年では介護士、警察官、カウンセラー、アニマルシェルターのスタッフなどが多く悩まされています。
ニュースで言うと、親の介護に疲れて自殺してしまう報道がありました。肉体疲労も然ることながら、精神的疲労も蓄積して自分も追い込まれてしまう状態ですね。
心理療法を行うのカウンセラーにも、誰かの鬱病を治療中に自分が鬱病になってしまうというケースはとても多くあります。
私の所属している業界では、新米のカウンセラーが潰れてしまうと困るという観念から、統合失調症や極度の鬱病患者に対してはベテランが担当につきます。患者のためではなく、新米のカウンセラーの身を案じての決定でした。
LOLでも同情疲労とは、望んでいない共倒れになってしまう状態の事です。
折角助けようとしたのに、結果的に助けようとした人の心も折れてしまっては勝てる試合も勝てないですよね?
そうなった時に、あなたは後悔しないかどうか?
それが負けてるレーンを助けるかどうかの判断の基準です。
もしも後悔しないと思うなら、助けるべきでしょう。
低レートでレーンで負けている味方は助ける対象ではないと理由も、ここにあります。低レートで負けている以上、その後コケる可能性が大きいからです。それに、低レートでは味方を育てるよりも、自分が育ってキャリーする方が勝ちやすい傾向が強いというのも理由の一つです。
助ける前から後悔すると思うなら、恐らく助けるのはその時点で最適な行動ではありません。例えば、負けてるレーンは割り切る代わりにオブジェクトを取りにいく、勝っているレーンを更に勝たせる、など別の方法があるかと思われます。
人は総じて自分の決めた判断の結果からは多くの事を学びます。自分ではなく、人に決められた行動の結果で後悔する場合は、恨み辛みになりがちだからです。
- 自分の判断で試合に負けた
- 人の判断で試合に負けた
結果は同じでも上記の両者では、成長に大きな差があります。
自分の行動を決めるのは、自分自身で行いましょう。その方が、後悔だけではなく、その後に続く反省に繋がり、更にその先の改善に結びつきます。
牛歩ではありますが、コツコツと自分の判断を磨いていく方がlolでの勝率には繋がりやすいでしょう。
余談ですが、自分の行動に後悔したくない、今よりもっとポジティブになりたいという人は以下の著書がお勧めです。
怒り、嫉妬、恨み、憎しみ、劣等感などの負の感情を持つと、人は小さくなります。それらから解放され、自由になるにはどうすればいいのか?心理学に興味があったり、カウンセラーになりたい人にもお勧めです。