リーグ・オブ・レジェンドではプレイヤーの実力によって、レートが決まります。
プレイヤーはレートを上げるために、ランクと呼ばれる試合を行い、大半の人は勝利を重ね、頭打ちになるまで徐々にレートが上がっていくでしょう。
この頭打ちになった時が、そのプレイヤーの適性と言えます。勝率でいうと、大体49%~51%の間です。
勝つプレイヤーは勝率が50近くになると、適正にいる自覚を持ち、自身の戦略に工夫を加え始めたり、勝つための方法を模索する傾向が強いです。
自分が適正にいるということを認めることは、稀に苦痛を伴います。例えば、あなたがブロンズにいて勝率が50%にいる場合、そこを自分の適性だと認めることは苦痛かもしれません。自尊心を守るために、「俺の適性はブロンズじゃない!もっと上だ!ゴールドくらいはある!」と思うのは、脳の防衛本能からすると自然なことでもあります。
一時的なものであれば、大した問題はありませんが長くその状況が続く場合、気付かないうちに勝てないプレイヤーの仲間入りをするケースが多いです。
それは、「自分の適性はもっと上だ」と自分を守るために思っていることが、その内「俺はブロンズだが、実力はゴールド」と自分の中で事実として受け入れ始めます。物事を歪んで受け入れ始め、臨床心理学では極めて危険な赤信号として捉えられています。
なぜ、このようなことが起こるのでしょうか?
ダニング=クルーガー効果とは
先ほどの例のように、人は自分の自尊心を守るために日常の生活においても、稀に膨張した事実や、根拠のない嘘を言います。
これは、まだ事実を完全に受け入れる状態ではない場合に働く脳の防衛機能です。
大半は一時的なものであり、事実を受け入れる準備ができれば受け入れます。
その時に、自尊心を守るために働くのが、ダニング=クルーガーという心理効果です。
ダニング=クルーガー効果とは、自分の能力が低いにも関わらず、自身を実際よりも高く評価するという認知バイアスの一種です。
LOLでは、勝てないプレイヤーの多くが自身の実力を過大評価している傾向にあります。そして、「俺は実際はゴールドくらいはある」と豪語しているブロンズのプレイヤーはやがて、それを自分の中で事実として受け入れ始める傾向があります。
こうなると、負けたのは全て味方のせいにできますし、人に責任を擦り付けることで、感じるストレスを軽減することができます。
脳は本能的にストレスを回避し、省エネを好みますので、一度上記の症状にかかると中々改善はされません。
ではどうすればいいのでしょうか?
自分のレートを受け入れる
ダニング=クルーガー効果とは、自身の過大評価から来るものなので、一番良い解決方法は自分のレートを一時的に嘘でもいいから受け入れることです。
「俺はゴールドと同じ実力がある。しかしブロンズにいる。よし、まずは俺はブロンズということを認めよう。実力はゴールドだがな!!!」
上記のような症状の場合、もしくはそう思いたい場合は、下記のように少し変えて見ましょう。
「俺はゴールドと同じ実力があると思いたい。しかしブロンズにいる。よし、まずは俺はブロンズということを認めよう。そしてゴールドへ行きゴールドと同じ実力があることを証明する!!!」
このように考え方に少し工夫を加えることで、ゴールとそこまでの過程を設計することができます。
自身に正直で、ゴールが定まっている状態は、良い臨床心理学上、よい傾向だと言えます。逆に、自身を偽る状態は心が不健康な状態で、とても危険なサインです。
今の自分を受け入れることで、やがて改善点に気付いたり、冷静な判断力を身に着けることに繋がるでしょう。