今回の記事はジャングラーとミッド向きの記事になります。

題名にもある通り、「自分ジャングラーなんすけど、ガンクってしたほうがいいんすか?」と疑問に思っている人は割りと多いのではないかと思われます。

ジャングラーはパッチやメタの影響を受けやすく、その都度、最善といえる状況が異なりますが基本的な理念として「ジャングラーは自分と味方がマップを有利に使えるようにする役割」と考えるといいと思われます。

「え、え、どういうこと?」

詳しく見てみましょう。


マップを有利に使えるようにするとは

ここでは想像力を少し働かせてみましょう。

あなたはミッドです。ミッドにいると、敵のジャングラーが来る場合を想定して、レーンの左右を警戒する必要がありますね。

その時に、味方のジャングラーが右側の、つまりドラゴンの手前付近にいたら、少し安全だと感じませんか?

なぜかというと、敵のジャングラーが左から来れば、右側に逃げればいいということになりますし、基本的に右側に寄っていれば安心できるからですね。

うまいミッドの動きを見ていると、意識して味方のジャングラーのいる方角へ、自分のレーンの位置を少しずらしているのが観察できたりします。

稀にミッドで味方のジャングラーが右側の草むらに入り、ミッドレーナーが極端に右側に寄って対面の相手を誘う動きをする人がいますが滑稽すぎるので、よく考えてから行いましょう。

味方がうまければうまいほど、ジャングラーの動きを一つの情報源として利用する事が出来ます。

例えば、あなたはトップです。

対面に仕掛ければ殴り勝てる可能性が高い場面ですが、敵のジャングラーの位置がわからないので仕掛けるのを躊躇しています。

味方のジャングラーが敵のラプター付近にワードを置いており、敵のジャングラーが映りました。

あなたは対面に仕掛けました、キルを取れました。

トップをしていると、一番の懸念は敵のジャングラーの位置ですから、ジャングラーが積極的に動く事で味方の有利を作れます。

稀に、以下のような思考を持つ人がいますが、手段と目的を履き違えている場合か、単なる八つ当たりの可能性が高いので基本的に無視しましょう。

「ジャングラーの仕事はオブジェクトコントロール。ドラゴンやヘラルド取れよ」オブジェクトコントロールはチームで行うものなので、ジャングラーだけではなく全員で行いましょう。

「ジャングラーは味方を育てるのが仕事だろ!?」この台詞は大体ぼこぼこに負けてるアホレーナーの常套句です。言い返すのではなく「ごめんね」と一言謝ってみると割りと面白い反応が見れるのでお勧めです。

また、語弊を恐れずに書きますが、マップを有利に使えるようにする=ワードを置きまくる、ではありません。

最終的に、あなたの行動が自分と味方がマップを有利に使えるようにするという事に繋がっていれば、あなたは立派なジャングラーとして機能していると言えます。

わかりやすく、「ジャングラーなら、置いておきたいワードの場所ベスト10」とか、「OPジャングラー鉄板のビルドを一挙紹介!」というわかりやすい事を言えればいいのですが、そんなもんあればLOLはここまで流行っていないので、青い鳥を追うのも休み休みにしておきましょう。

青い鳥症候群とは、モーリス・メーテルリンク作の童話「青い鳥」の中で幸せな身近な所にあると気づく前に、幸せの象徴である青い鳥を探しに行くという、現実を直視せずに根拠のない青い鳥を探し続ける人の事を指します。
精神的な弱さは「勝てないプレイヤー」の特徴

もっと深く考えてみましょう

それでは、ジャングラーの理念を理解した所で、題名にもある「ガンクはするべき?」に答えてみましょう。

結論から言うと、するべきです。

理由は、ガンクを行う事でゲームに自分が直接的に関わるので、運の要素が薄くなるからです。

例えば、ファーム系のジャングラーであるマスター・イーやシヴァーナを考察してみましょう。

両者とも、延々と森でファームを繰り返し、相手の森を荒らしにいく事もなければ、ガンクも行わないし、ドラゴンも放置としましょう。

相手の森を荒らさずに、ガンクも行わず、ドラゴンも放置するのであれば、ほぼほぼ自軍の森しか通りません。

これは間接的に敵のジャングラーに大きな有利を与えている行為になります。なぜなら敵のジャングラーは、相手のジャングラーと鉢合わせする場合を考慮せずに、自由にファームとガンクを行えるのですから。

また、レーナーがタイマンで負け続けている場合、ガンクで助けないとどんどん相手が育ってしまう場合もあります。

負けているレーンを助けるという行為は、状況によって良し悪しがあるので一方的に助けろとは言いませんが、なにかしらの策を準備したほうがいいでしょう。

逆のパターンもあります。例えば以下のような疑問です。

「レーンは全員勝ってるみたいだ~。それでもガンクしたほうがいいの?」

これもまた、マップを有利に使えるようにする=ガンクをする。という方程式が必ず成り立つではありませんので、一概にガンク脳で行動するのはやめましょう。

重ね々ねになりますが、あなたの行動が自分と味方がマップを有利に使えるようにするという事に繋がっていれば、あなたのジャングルとしての勝率は確実に上がっていきます。

「自分の行動が有利を作ってたってどうやってわかるの?」

こればかりは自分よりもうまいプレイヤーにリプレイでも見てもらうのが一番手っ取り早いかと思います。

また、有利を作ってたかどうかの検証は以下のフレームワーク通りに行うとわかりやすいです。

  1. 計画する「今からトップにガンクを行うぞ。川を通って行こう」
  2. 実行する「ガンクを試みたが、ワードが刺さっていたみたいだ。失敗した」
  3. 評価する「敵は川の三角にワードを置いていたと予測する。次は裏から回ろう」
  4. 改善する「裏から回った結果、ガンクは成功した」

上記のフレームワークは、ビジネスにおけるPDCAサイクルと呼ばれるものです。

PDCAは、生産性や品質管理などの業務を効率的にする手法の一つで、ビジネスだけではなく幅広い分野で用いられています。

LOLにおいても、非常に使いやすく、試合のリプレイを見て振り返りを行う場合でも、PDCAを意識すればより効果的です。

特に重要なのは、PDCAのCA(評価と改善)です。ほとんどの人はPD(計画と実行)を無意識に行っています。しかし、実行した結果に対する考察が浅かったり、失敗を認めたくないがために、なぁなぁで済ませる事はとても多い傾向にあります。

より詳しく知りたい人は、以下のウェブサイトを一読するといいでしょう。

確かに簡単なPDCAをひとつ回すことであれば、経験が浅い人でもできるが、簡単なPDCAをひとつ回せたからといって「PDCAはマスターした」と思うのは大きな勘違いだ。草サッカーで1回勝ったからといって「サッカーって簡単だね」と言っているのとまったく同じである。
デキない人はPDCAの奥深さに達していない

まとめ

ジャングラーの役割は、自分と味方がマップを有利に使えるようにする事です。

誰かの「ジャングラーなら○○をしろ」という言葉は忘れましょう。

「○○を使ってれば勝てるよ」という言葉も忘れましょう。

極端な話、あなたの行動が試合の勝利に貢献できているかどうか否か、それが全てです。手段と目的を履き違えない事が重要になります。

すぐには無理でも、意識する事であなたの行動は確実に変化し、勝率へと繋がるでしょう。

次回の記事では、具体例として私が大きな影響を受けたジャングラーに関してお話できればと思います。

余談ですが、PDCAに興味がある方は以下の著書をお勧めします。

孫社長のむちゃぶりをすべて解決してきた すごいPDCA―――終わらない仕事がすっきり片づく超スピード仕事術

PDCAの解説に加えて、具体例が多く載ってあり、またソフトバンクという事で身近に感じながら読むことができます。学術書というわけではなく、PDCAを早速使ってみましょうかというライトな感じなので、通勤中などに読むと業務にすぐに使えてお薦めです。