リーグ・オブ・レジェンドでは手早くコミュニケーションを図るための方法としてピングを鳴らします。
例えば、あなたはミッドだとします。敵のジャングラーがガンクしに来ているのに味方のジャングラーが気づきました。
優しい味方のジャングラーは、ミッドに危険・警戒ピングを鳴らします。天才ミッドレーナーのあなたは敵のジャングラーが近くにいるんだな、と悟りレーンを引き気味にする事で敵のガンクを避けました。
上記はごく普通の例ですね。
例外として一部のレートでありがちな事を挙げましょう。危険ピングを鳴らしてあげたら「え? え? そこになにかあんの~?」とヘラヘラと近づいて、草むらに顔を突っ込み死んでいく光景も稀にあります。
人間の心理的に「ここは開かずの部屋だよ、開けちゃいけないよへっへっへ」と言われると、それまで意識してなかったのに、急にその部屋が気になってしゃあなく感じる現象があります。
日本の民話でいう、鶴の恩返しがこれに当たりますね。
エロでいうと、雑誌の袋綴じです。
このような心理現象には名前があり、カリギュラ効果と呼びます。
カリギュラ効果とは
禁止されると、返ってやってみたくなる欲求が出る現象のことをカリギュラ効果と呼びます。
LOLの例を更に挙げるとすれば、必要のないタワーダイブなどもカリギュラ効果です。
勝っている試合の場合、淡々とミニオンをプッシュしてタワーに押しつけ、オブジェクト管理をすれば相手をジリ貧にさせる事が出来る場合が多いでしょう。
しかし、勝っているからといって調子に乗って必要のないタワーダイブを行い、逆にオブジェクトを取られて勝っていたアドバンテージを捨てる試合が沢山あります。
「今勝ってるからタワーダイブ必要ないからね、このままジリジリ相手を押し込んでいけばいいんだから」と頭ではわかっているのに、なぜかやってしまう。カリギュラ効果です。
さて、ピングに話を戻しましょう。
ピングがいかに重要か? という記事は他のブログで溢れているので、あえてここで話す必要はないと思われます。それよりも、なぜピングがそもそも存在するのか? について書きたいと思います。
例えば、味方に危機を知らせるのではればLOLのチャットで「敵のジャングラー近くにいるから気をつけて」と一言チャットで言えばいいんですよね。
「いや、タイプするの時間かかるっしょ。ピングの方が楽じゃん」
そうですね。ピングの方が手軽に、大雑把ではありますが相手にある程度こちらの意図を伝えることができます。
しかし冒頭で挙げた例外のように、危険ピングを打ったにも関わらず、「え? え? そこになにがあんの~?」と近づく勝てないプレイヤーも沢山いることも事実です。
さてその場合、ピングした味方が悪いのか? それとも、ピングの意図を汲めなかった味方が悪いのか?
私の経験から言うと、後者です。受け取る側はピングの意図を汲み取る必要があります。
ではなぜ、責任はピングを受け取る側にあるのでしょうか? それは、ピングを受け取った上での行動決定権は受け取る側にあるからです。
また、「お前のピングが悪いから俺死んだわ! 原因はお前にある!!!!」とか言ったり「お前のピングいいわ~。皆も見習ってほしいもんだね。お前みたいなピングができないやつは全員ゴミ」などを素で喋るプレイヤーも稀に、いや、割とおりますが救済の方法がないので放っておきましょう。
脳科学において、ピングのような簡易的な方法でコミュニケーションを取れるのは人間の特徴とされています。
その特徴は、シンボル・システムと呼ばれるものです。ヴァージニア大学のジュディ・デローチ氏は人間の認知能力が、他の動物と異なる事を発見しました。
例えば私たちは、青文字と赤文字でトイレと書かれていれば、どちらが男子用と女子用かを区別できます。
他にも、エレベーターの中に四角いボタンがあり、閉じると書かれていれば、そのボタンを閉じると書かれた四角い物体とは認識せずに、エレベーターを閉じるボタンだということを判別できるでしょう。
このように最小限の情報から、見た目以外の機能や働きを推測できる能力は人間のみに見られる動物的特徴です。
ピングの歴史
ピングの存在意義を知るには、その歴史を見てみるとしましょう。
ピングとはコミュニケーションを簡略化させたものです。つまり人間がコミュニケーションを取り始めた直後から存在したと考えます。
デローチの考えを参考にすれば、石器時代に人間がマンモスを狩るためにはどのようにする必要があったかを考えれば理解できると言います。
マンモスを狩りきれる程の腕力を得ること? ではないですね。
人間はそこまでムキムキにならなくても、他人と協力をする事でチームワークという概念を打ち立てました。例えば、武器を使ったり、マンモスを高い所から転落させたり、罠を仕掛けたりです。
他人と協力する事で、人間vsマンモスの絶望的なタイマンは終わりました。
マンモスを命がけで狩ってる時に、長文で喋って意思の疎通を図るのは効率上よろしくないですね。
男A「おーい! そっちにマンモス行ったぞ!」
男B「ま!? まだ準備できてねーわ! 手詰め募集するわ! 手詰めぼ!」
男A「えっ、聞こえねーわ! なんて!?」
男B「手詰ぼ! 手詰めぼ!」
マンモス「デマシアーーーーーードドドドド」
長文でのコミュニケーションだと、狩りの最終に上記のような光景になってしまうわけです。
そこで、シンボル・システムであるハンドサイン、ボディーランゲージ、目線での誘導などで意図を伝えるわけです。いわゆる石器時代版のピングですね。
ピングを使うことによって、作戦や戦術の幅が広がります。
例えば敵の誰かが育っていれば、皆で協力してフォーカスを集めて一番先に落とそうとするでしょう。
LOLの集団戦で最も優先されるべきことの一つは、人数差を相手よりいかに先に作るか、があります。そのためには、フォーカスを集中してダメージの効率性を上げる事が重要とされます。
このゲームの集団戦はとても忙しく、相手のスキルを避けたりする必要もあるので、周りの味方を見てフォーカスを集中させるのはとても困難です。なので集団戦でもピングを使い、理解し、お互いに意思の疎通を図ることが可能になれば試合の勝利に繋がるでしょう。
余談ですが、ピングだけではなく実生活でコミュニケーションがうまくなりたいけど、現状はコミュ障という自覚がある人は以下の著書を読んで実践するといいでしょう。
歌舞伎町No.1ホストが教える 選ばれる技術
ホストの本かよ! と言う前に、ホストというのはいかに話術で飯を食うかを追求するお仕事でもあります。変に角ばった話術の本を読むよりも、「まずはできることから始めてみましょう、このあたりからでいいんじゃね?」というスタンスで書かれている著書は脱コミュ障をしたい人にお薦めです。