本記事では心理学的側面から、勝つプレイヤーを分析してみましょう。
過去にリーグ・オブ・レジェンドというゲームのジャンルであるMOBAを遊んだことがあるならまだしも、無経験から高レートへ行った人は、「何もない」ところから上り詰めた人たちです。
彼らに共通する事は、「どこまで登れるだろう」という好奇心と欲望です。
この二つが無ければ、例え敗戦が続いたとしても踏ん張れないし、「やってやる!」というエネルギーが沸いてきません。
目標が無ければレートは上がらない
とある会社の経営者は「欲のないやつは、社員にいらない」と言い切っています。
「出世したい」「金持ちになりたい」「有名になりたい」「独立したい」これらの欲望があれば、辛い環境や窮地に立たされた場合でも、なかなか折れない傾向があります。折れないから、冷静に自分をコントロールして「どうすれば勝てる? なにが負けている問題だ?」と分析できる、これを心理学用語で窮地の自分と呼びます。
窮地の自分とは
窮地の自分とは、ポジティブ心理学で効果が検証されているものです。アメリカの臨床心理学者であるアルバート・エリスによって考案されました。
アルバート博士は認知行動療法と呼ばれる分野の基礎を築いた一人でもあり、1955年には心理療法の新しい手法として論理療法を考案しています。
さて、この窮地の自分に関してですがこれは論理療法で用いられるABC理論というのが基礎になっています。ABC理論を基礎にした窮地の自分は、起きた出来事に対する解釈を変える事で、感情を整えるという技法です。
窮地の自分を理解するために、ABC理論について見てみましょう。
ABC理論では、私たちの悩みというのは全て起きた出来事そのものではなく、その出来事に対して抱く意味や解釈によるものという考え方です。
つまり、起きてしまった事実の原因や根本から解決法を探るのではなく、その結果の意味に関与するわけですね。
ではリーグ・オブ・レジェンドを例にみてみましょう。
- 試合開始早々に味方のジャングラーがガンクにきてくれたけど、反応できずにジャングラーを死なせてしまった
- お終いだ。もうジャングラーは二度とガンクに来てくれないだろう。キルは対面に入ったし、もうレーンでは勝てない
- 落ち込んでしまい、その後も試合に集中できず、負ける
このような経験はありませんか? あるいは、経験をさせてしまった事はありませんか?
まぁ実際は自分がジャングラーでトップにガンク行ってあげて、トップが反応しないって事の方が多いすけどね。そういう時は一言、「あ、ども。寝てました?w」って聞いてあげましょう(挨拶)
さて、上記の例では自分は窮地にいるわけですね。まさに窮地の自分というわけです。では、窮地の自分を救うためにはどうすればいいのでしょうか?
起きてしまった出来事を変える事はできませんので、出来事に対する意味を以下のように変えてみてはどうでしょうか?
- 試合開始早々に味方のジャングラーがガンクにきてくれたけど、反応できずにジャングラーを死なせてしまった
- 誰にでもミスはある。自分はあまりマップを見ていないようだ。次は反応できるようにもっとミニマップに気を遣おう。そうだ、ジャングラーに一言謝ってピングをしてもらえるように頼んでみよう
- ジャングラーに謝った、次はピングをしてもらえるように頼んだ。その結果、ジャングラーも承諾してくれた。またすぐにガンクに来てくれるみたいだ
どうでしょうか?
最初の例に比べると、むっちゃポジティブじゃないすか?
でも自分の味方だったら、こういうポジティブな人をぜひ引きたいですよね。楽しくゲームを遊べそうですよね。
特に感情的というか、情緒不安定なプレイヤーが多いというか、ほぼそういう人しかいないリーグ・オブ・レジェンドでは特にそう思いませんか?
自分の感情をコントロールできると、普通なら落ち込むような状況に陥ったとしても、回復する事が出来ます。心理学では、そのような回復力をレジリエンスと呼びます。
起きてしまった出来事を悔やんでも、事実を変える事は出来ません。大切なのはそこから、何を学び、次に活かすかです。よって、窮地の自分から回復できるプレイヤーが、高レートへ行く事が出来ます。
余談ですが、この記事で紹介したアルバート博士はアドラー心理学の流れを組む心理学者です。そのため、理論療法は元より、その応用がビジネスの現場でもよく使われています。
もしも自力で問題解決をしたり、感情をコントロールできるようになりたい人は、以下の本を一読してみるといいでしょう。