本記事は、上位レートのプレイヤーから探る「勝つプレイヤー」「勝てないプレイヤー」の5大法則の記事の続きです。もし先述の記事を読んでない場合は、順番に読む事を強くお勧めします。
さて、勝てないプレイヤーの最後の共通点は、思考と判断です。これは前項の数字を扱った理論的な判断に近いものなので、その延長と考えて下さい。
勝てるかどうか、勝つプレイヤーになれるかどうかは、最終的には正しい判断をし、正しい決断をしているかによるところが大きいです。
ここでいう判断とは、過去の事柄や自身の経験から現在の状況を分析し、状況を的確に把握できているかを指します。決断とは、その状況において最善の行動を取れるかどうかです。
判断と決断は因果関係にあるので、前提である判断が間違っていると、最終的な決断も間違う可能性が高いと言えます。
さて、勝つプレイヤーと勝てないプレイヤーとは判断の内容にまず差があります。例えば、以下のような状況があるとしましょう。
- バロンの睨み合いをしている
- タワーは均等で、戦況も均等である
- バロンは必ずしも取る必要がある状況ではない
- 敵味方とも、バロンを一瞬で倒す程の戦力はない
上記の状況で、バロンの周りのワードや、敵の位置を気にする人は、勝てないプレイヤーと言えます。勝つプレイヤーは、「現在このバロンの睨み合いをしているこの状況を、どう使うか」に重点を置いて考える傾向があります。
前者の勝てないプレイヤーの考え方は内向き、堅実的であり、勝つプレイヤーの考え方は外向き、未来的、生産的、合理的です。
内向きにバロンが取られる心配ばかりをすると、堅実という事になります。最悪の状況はバロン前で戦闘が起こり、負けた挙句、バロンも取られる事なので最悪の想定もしやすいです。悪い思考ではないのですが、「勝つ」事を優先する場合、「勝つ」思考ではないのです。
勝てないプレイヤーの思考は、保守的、現状維持の思考なのです。
外向き思考人間になるには
勝つプレイヤーのように、外向きの思考をしていると、例えバロン前の睨み合いで戦力が負けていたとしても、様々な行動を生む可能性があります。例えば、バロンを相手にあげる代わりに睨み合いを止め被害を最小限に押さえ、代わりに反対側のタワーを折りに行く、などです。
勝つプレイヤーは常に勝つための方法を考えており、相手より優位に立つ方法を模索しているからこそ、時に思い切った戦術や行動を取る事も出来ます。
更に具体的に勝てないプレイヤーの思考が行動に現れている箇所を挙げるとすれば、
- フラッシュを思い切って使えない
- フラッシュをもっと早く使えばいいのに使ってからデスする
- 戦っていい場面で戦わないので、後手に回る
- グループする場面でグループせず、ファームを行う
前項の、勝てないプレイヤーは柔軟な思考がないと言える部分も出ていますね。勝つプレイヤーになるには、勝てるチャンスを機敏に捉える事が重要です。しかし臆病になったり、常に状況を考えていないとチャンスをみすみすと取り逃がしてしまいます。
心理学では、度々これらの例を株で例える事があります。
デフレ不況の今、いい不動産や株が安く買えるぞ。あの優良株が格安だ、と言って投資を行う人。この場合、デフレなので更に安くなる可能性があるものの、「既に下がっている状態なので」今後上がる可能性の方が高いと言えます。
勝てないプレイヤーの思考は、みんなが買うから安全だと判断して、値段が上がり始めたときに買い、下がり始めた時に不安になって売るような、いわゆる中抜きしかできません。これでは、勝つ事はできないのです。
判断と、決断はその人間の本質をも映し出します。
勝てないプレイヤーは、試合が有利に進んでいるなら「このまま有利に終わるためには?」を考えて行動し、試合が不利ならば「この不利な状況から一転して勝つためには何をすればいいのか?」を常に念頭に置いてみましょう。
その時の判断が正しければ、正しい決断を下し、後は行動に移すのみです。
余談ですが、勝つプレイヤーは「どうすれば勝てるのか?」を考えて、勝てるようになった結果の人達です。将棋の天才と呼ばれる羽生善治氏も、自身の著書「迷いながら、強くなる」の中でとにかくわからない事はやってみるしかない、を実践してきています。
何が最善なのか? わかっているけど、実際どうすればいいのかわからない、という人は一読してみるといいかもしれません。