リーグ・オブ・レジェンドは複数における個人の行動による試合が作られます。
チーム対チームという構図ではありますが、そのチームを形成する各々の行動が反映されるゲームです。
それゆえに、それぞれのプレイヤーの行動による影響力は大きく、行動を決めるための判断の精度が重要になります。
なので、LOLで勝率を上げる最善の方法は、判断力を鍛え、自分の行動を変える事です。
自分の行動を、オブジェクト・コントロールに繋げたり、自身のやらかしを少なくすることで勝率はかなり変わります。
勝率が50%以下である勝てないプレイヤーであるプレイヤーは、外的要因に目を向けるのをやめて、内的要因に働きかけるといいでしょう。
外的・内的要因とはある問題に対して原因が、自分にあると考えるか、相手にあると考えるかです。
練習する前に考えてみよう!外的・内的要因とは
例えば、試合に負けたとあるとしましょう。
LOLは試合に負けた時、それを味方のせいにするのがあまりにも簡単です。
私の経験では、試合に負けた時、LOL以上に味方に責任を転換できるゲームを他に知りません。
勝てないプレイヤーはことごとく負けた理由を、味方のせいにする傾向があります。味方に対するいちゃもんの付け方に関しては勝てないプレイヤーはチャレンジャーの類です。
「俺は良かったのに負けたのは味方がごみだったから!!だって俺は実質チャレッ!!」
どんな顔して言ってるんだろうと思いますが、勝てないプレイヤーは最初ネタで言っていたにも関わらずその内、上記のようなことを事実として捉え始めるのでとても興味深いです。いわゆる、ダニング=クルーガー効果が働いています。
ダニング=クルーガー効果とは、自分の能力が低いにも関わらず、自身を実際よりも高く評価するという認知バイアスの一種です。
ダニング=クルーガー効果
そして、ダニング=クルーガー効果が働いているプレイヤーがとても多く存在することがライオットのデータから明らかになっており、公式でそのように述べられています。
ダニング=クルーガー効果とは、自分が平均よりも優れていると過大評価してしまう傾向があることを意味します。
リーグ・オブ・レジェンドでは、大多数のプレイヤーがこの傾向にあるようです。
マッチメイキング
さて、勝つプレイヤーは試合に負けても、自分の悪かった行動を探そうとします。その上で、次の試合に負けた経験を活かせるように考えます。この一連の流れは、振り返りと呼び、判断の精度を上げるためにとても効果的です。
勝てないプレイヤーは、振り返りを行うところまでそもそも行き着きません。それは自分を常に合理化し、味方の責任にしていることが大きな理由です。
では、なぜ勝てないプレイヤーはそのような思考をしてしまうのでしょうか?それには、認知的不協和が関係しています。
認知的不協和とは
認知的不協和とは、矛盾した二つの要素を認知した場合に生じる不協和で、自身の認知を変化させることで納得しようとする心理過程です。
アメリカの心理学者レオン・フェスティンガー博士により提唱されました。
簡単に言うと、人は二つの異なる事実があると、その事実を歪めることで納得しようとします。
よく例に上がるのが、タバコを吸う喫煙者の例です。
- 私は喫煙者だ
- 喫煙者は肺ガンになりやすい
上記のような二つの事実があったとしましょう。上記の二つは矛盾しており、この喫煙者は肺ガンになりやすいのにタバコを吸っているということになります。
このままでは、喫煙者はタバコを吸う度にストレスを感じます。そこで、下記のように事実を歪ませます。
- 私は喫煙者だが、禁煙をすることに決めた
- 喫煙者は肺ガンになりやすい
禁煙を行うことで、上記の二つの要素は矛盾しなくなります。上記の例は、認知的不協和が良い方向に働いた例ですが、反して下記のように考える喫煙者もいるでしょう。
- 私は喫煙者だ
- 喫煙者は肺ガンになりやすい
- 必ずしも全員が肺ガンになるわけではない
この例では、喫煙者は更に別の理由を足すことで、自分なりに納得し、認知的不協和を抜け出そうとします。
他にも、信憑性のない話を理由につけ、自分の吸っている銘柄はリスクが少ないとか、様々な理由をつけて納得することで、ストレスを軽減させ、合理化しようとします。
LOLでは、勝てないプレイヤーはどのような認知的不協和があるかを見てみましょう。
- 試合に負けた
- 俺は悪くなかった
上記の二つは要素はお互いに矛盾していますので、認知的不協和が働きます。
- 試合に負けた
- 俺は悪くなかった
- 味方がカスだった
- 味方のトップがひたすらレーンをプッシュしてガンクを受け続けた
- 味方のミッドがずっとソロキルされていた
- 味方のサポートがワードを置かなかった
- 味方のADCの立ち位置が悪すぎた
- 味方のジャングラーが一切ガンクをしなかった
私ですらこれだけの理由を考えるのに一分もかかっていませんので、LOLはとんでもなく味方のせいにしやすいゲームであることに驚きました。
勝てないプレイヤーは自分を合理化する傾向がとても強く、そうすることによって自身がストレスを軽減することができます。
人は本能的にストレスを感じる行動を避ける傾向があり、自分の都合のいいように事実を歪ませる脳の防衛機能を持ちます。しかしながら、その機能が働きすぎると「自分は正しい、悪いのは俺以外の人間」を地で行く人間になります。
認知バイアスとは、脳が本能的にストレスの大きな問題を回避し、実際の物事を歪んで認識する性質のことです。
勝てる人は無意識にやってる?認知バイアスについて
ではどうすればいいのでしょうか?
最善策は、味方のせいに自分がしている時を自覚し、その思考は認知的不協和から来ていることを理解し、自分がどう行動すれば結果を改善できたのか?を考えることです。
改善策を考えることはとても生産的ですし、しばしば物事の原因を追究するより将来性が見込めます。
例えば、敵のジャングラーにソロで最初のドラゴンを取られたとしましょう。
- ワードが無かった
- 敵のジャングラーの位置がわからなかった
これら二つの原因がわかります。ここで思考を止めるのではなく、以下のように考えるといいでしょう。
- ワードが無かった。次はドラゴン前にワードを自分が置くようにする
- 敵のジャングラーの位置がわからなかった。次は敵のジャングル内にワードを置くようにする
上記のような感じです。
勝てないプレイヤーは原因を追及したところで止めて、その責任を味方のせいにするのでいつまでたっても上達しません。
勝つプレイヤーは失敗から学び、次に同じ失敗を繰り返さない工夫をします。
LOLはブロンズからチャレンジャーまで、全てのプレイヤーは同じルールの上で試合を行っています。あなたが試合に負けたのであれば、それはあなたの味方運が特別悪かったせいだけではありません。
同じルールで試合を重ねているのにも関わらず、勝てないプレイヤーと勝つプレイヤーに分かれる理由は、あなたにあります。
勝てないプレイヤーはなぜ、自分が勝てないプレイヤーになっているのか?どうすれば勝つプレイヤーになれるのか?これらを考えた上で、ではどうすれば実践できるかを考えてみましょう。そして、試合を重ねるにつれ自分の悪いプレイを直していく過程で、あなたは勝つプレイヤーになり、勝率も上がり始めるでしょう。
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