本記事は、上位レートのプレイヤーから探る「勝つプレイヤー」「勝てないプレイヤー」の5大法則の記事の続きです。もし先述の記事を読んでない場合は、順番に読む事を強くお勧めします。
勝てないプレイヤーが、柔軟性に欠け、変化する局面に対応できないのは何故なのか?
その理由は、勝つプレイヤーの持つ共通点である素直さに起因しています。勝てないプレイヤーは斜に構え、捻くれがちであり、尽く素直さに欠ける傾向があります。
素直さとは、率直に目の前の事実を受け入れる事、客観的に見て自分をどう変えるべきかを判断する事です。つまり素直さとは、外部からの情報を直視できるかどうか、あなたの器量となります。
例えば、あなたがミッドだったとしましょう。そしてレーンではボロ負けしました。どう負けたかというと、15分の時点で相手に5キルくらい渡してしまった上に、CSは2倍ついていました。あなたの死因の敗因には、敵のジャングラーからガンクを食らったものも入ります。
この時、あなたはどう思いますか?
大体の勝てないプレイヤーは「相手のジャングラーがちゃんとガンクしてたから、俺の対面は俺に勝てたんだ」というように考えるでしょう。
で、味方のジャングラーからはこう言われるわけです。「ワード置いたほうがいいですよ」
すると、勝てないプレイヤーはこう答えます。「ワード置いたらガンクされないとかいう話じゃねえんだよカス」と。そしてこの直後、ソロキルされるまでは予想ができます。
こんな感じなので、勝てないプレイヤーは素直さがなく、やがて話しかけようとする人も減って行きます。最近はピングミュート機能も実装されたので、速攻でブロックされることでしょう。
上記のように、素直さがないプレイヤーは、プレイへの改善点を期待する事が難しいです。ではどうすればいいのでしょうか?
自分を客観的に眺める
リーグ・オブ・レジェンドは結果論が全てのゲームでありますので、人に言われて改善ができない、人に言われるとついつい反発してしまう人はまず、リプレイから見直すといいでしょう。
リプレイで答え合わせをする事が、効果的なプレイヤーは多くいると思われます。スポーツ選手であっても、自分のゲームを見返す人はとても多いです。
何故、結果もわかりきっている自分のプレイを見返すのか? それは、どのようにして勝てたか、負けたかを重視しているからですね。
最初に言っておくと、リプレイを見て学習する場合は、人から言ってもらう場合よりも効率がやや落ちます。
一番効率的なのは、自分より上のレートにいる人からのアドバイスを聞き、実行する事ですが斜に構えている勝てないプレイヤーや、コミュ障プレイヤーにそんな先輩はいないとしましょう(偏見)
自分で学習する場合は、リプレイを見直す事で出来ますので、ここでは人のアドバイスを聞いた方が良い理由を記述します。
何故、人のアドバイスを聞いた方がいいのか?
それは人は本当に「こいつあかんわ」と思った人に対しては、何もしないからです。
例えば、以下のような場合は、あなたならどうしますか?
- ミッドレーナーが10デスしています
- 毎回同じ手順でデスしています
- そのプレイヤーは人ではなく、猫が操作していました
上記の条件の場合、あなたなら猫に文句を言いますか?
「言うね! 猫だって鍛えればなんとかなる!」
「猫でも人間でも勿論言う。そこにボーダー(境界線)は無いっ!」
結果的に言う、と答えた人は精神的に欠陥を確実に抱えています。今すぐlolをやめて、精神病棟に入院しましょう。
さて、もし試合の始めでアドバイスをしていた人が途中から何も言わなくなった場合、それは諦められたという事になります。
そこで「やったー、これでいちいち何か言われないでいいぞー!」と考える人は成長しません。
もしも、何も言われなくなった理由が諦められた時の場合、その人はあなたを猫と同様の小脳を持つ生き物と認識した、という事になるからです。
このように、諦められた事を心理学用語で学習性無気力と言います。
学習性無気力とは
学習性無気力とは、ある一定の期間に渡って何かしらの成果を期待しても、成果が出なかった時に、その状況を諦め、努力そのものを放棄する減少を言います。
以下のような実験がありました。
心理学の有名な研究に「学習性無力感」と呼ばれるものがある。無力感を学習するのである。無力感は実は学習されるのである。
たとえば、ネズミを檻に入れておく。檻には仕切りがあって、2部屋になっており、仕切りを飛び越えれば隣の部屋に行くことができる。ここで片方の部屋の床に弱い電気を流す。これはネズミにとっては不快なので、ネズミは走り回ったあげく、隣の部屋へ移る。隣の部屋には電気は流れていない。
これを繰り返すと、やがてネズミは電気を感じると迷いなく隣の部屋に移るようになる。自分にとって利益になる行動を「学習」するのだ。
そんなネズミに、今度はどちらの部屋にも電気を流すように条件を変えて実験を行なう。つまり、隣の部屋に移っても不快な状態が変わらないようにするのだ。
これが続くと、やがてネズミは移っても無駄だとわかり、電気刺激を与えても動かなくなる。ネズミは「やっても無駄」という無力感を学習してしまうのだ。
そしてその後、当初のように隣に移れば電気刺激を回避できるような条件に戻す。しかし、無力感を学習したネズミはもう以前のように隣の部屋に移ろうとはしなくなり、「ひきこもり」となる。
このように、体験から学習された無力感を「学習性無力感」「学習性絶望感」という。
要するに、あなたにかまってくれる人は、まだ試合で勝とうとしている人なので、アドバイスとして受け取りましょう。という事です。
稀に。稀でもないけど。煽りを目的とした人がいる事は一筆しておきます。例えばあなたが、デスした直後に、「ワード置いた方がいいですよ」と言われたあなたが、素直に「どこに置けばいいですか?><」と聞いた直後。
「知らねーよ雑魚。そのくらい考えられないからゴールドなんだよ」
という人は、あまり参考にはなりません。
が!
だが!
こんな事を書くと、勝てないプレイヤーはやはり持ち前の斜に構えた態度を表に出し、例えば的確なアドバイスであったとしても「あーこれは煽りだわー。アドバイスじゃないわー」という態度を取る事が予想されます。そういう事を言いたいわけではありません。やりたい事は、勝つプレイヤーへの脱皮ですね。
まとめると、勝てないプレイヤーは例えそれが煽りであったとしても、アドバイスとして受け取り、プレイに反映する事でパフォーマンスを上げていきましょう。
漫画のナルトでいう、ナイスガイポーズをしたガイの応援ありがとう、というやつです。
そのような素直さが、思考を柔軟にしてくれるし、勝つプレイヤーへと脱皮させてくれることでしょう。
余談ですが、学習的無気力は心理学の中でも基本のもので、映画や小説でよくモデルにされています。興味のある方は、以下の映画「エス」を観てみるといいでしょう。あの有名な、スタンフォード監獄実験がモデルです。
スタンフォード大学心理学部ではある実験をするため、被験者となってくれる男性を公募した。集まった20名ほどの被験者は無作為に「看守役」と「囚人役」に分けられ、学内に設けられた模擬刑務所に収容された。初めはそれぞれの役を演じるだけの簡単なアルバイトと誰もが考えていた。しかし、実験が進むうち、「看守役」の攻撃的な振る舞いはどんどんエスカレートしていく。それに対して、「囚人役」は卑屈に服従するのみで、まったく抗議できなくなっていく。いつしか、模擬刑務所内は単なる実験の枠組みを越えて、もはや誰にも制御不能の状態に陥っていく……。
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